Antiquites Brocante Paris by 桜アンティキテ
ヴィンテージ広告、ファッション雑誌-1938年4月-クリスチャン・ベラールのイラスト
<68ページ>
こちらのページの詳細は次の通りです:
掲載誌情報
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雑誌名:『Harper’s Bazaar(ハーパーズ バザー)』
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出版年:1938年4月
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ページ番号:68ページ(誌面下部記載)
イラストレーター
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イラスト下部に記されたサイン「Bérard(ベラール)」より、この作品はフランスの著名なファッションイラストレーター、画家の**クリスチャン・ベラール(Christian Bérard, 1902–1949)**によるものです。
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ベラールは1930年代~40年代にパリのファッション界と劇場界に影響を与えた重要な芸術家で、コクトーやスキャパレリとも親交が深く、ロマンティックでエレガントな作風で知られています。
掲載内容
『パリのバラとスミレ(Roses and violets in Paris)』というテーマのもと、バラのモチーフやピンク、バイオレットなど柔らかな色調を取り入れたドレスが紹介されています。
各アイテムの説明(下段の英文より):
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メインボッカー(Mainbocher)のベルベットドレス
控えめなバイオレット色(modest violet)と呼ばれる色合いのフリルにバラが施されています。 -
スキャパレリ(Schiaparelli)のウールジャケット(提供:Russeks)
カメオピンク(cameo-pink)と名付けられたローズピンク色のウールジャケットにスカンクのファーカラー付き。 -
モリニュー(Molyneux)のサテンドレス(提供:Marshall Field)
腰にバラが集められていて、袖は典型的な「レッグ・オ・マトン(羊脚型)」のスタイル。 -
メインボッカー(Mainbocher)の長袖ベルベットドレス(提供:Bergdorf Goodman)
ハイネックの胸元にスパンコールで施されたバラのモチーフがアクセント。
提供店舗(文中の店舗名)
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Russeks(ラスックス)
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アメリカの高級デパートで、当時、特にニューヨークの裕福な層を対象としたファッションを取り扱っていました。
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Marshall Field(マーシャル・フィールド)
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シカゴを拠点としたアメリカの著名デパート。高級品を扱い、アメリカ中西部の富裕層に人気でした。
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Bergdorf Goodman(バーグドルフ・グッドマン)
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ニューヨークの高級デパート。今日もファッション界で重要な店舗として知られています。
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「Roses and violets in Paris」「パリのバラとスミレ」
これは雑誌の特集やファッションテーマとして用いられたフレーズであり、バラとスミレという二つの花が、パリのファッションや季節感を象徴するテーマとして取り上げられていることを示しています。特に1930年代から1950年代頃のヴィンテージ雑誌では、花をモチーフにした華やかでロマンティックなテーマが頻繁に使われました。
「Roses and violets in Paris」という特集が掲載されたのは、1938年4月号の『Harper’s Bazaar』誌です。この号では、Mainbocher(メインボッカー)、Schiaparelli(スキャパレリ)、Chanel(シャネル)、Molyneux(モリニュー)といった著名なデザイナーによる昼夜のファッション(69ページスミレ特集)が紹介されており、これらのデザインが一堂に会し、美しいブーケのような特集となっています。
※それぞれの名前(ラスックス、マーシャル・フィールド、バーグドルフ・グッドマン)は当時これらのファッションを取り扱っていた有名な百貨店です。
Russeks(ラスックス)とは:
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設立:20世紀初頭(1900年代初期)
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所在地:ニューヨーク、五番街
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特徴:
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ファッション性の高い欧州ブランドや毛皮などを扱う高級デパートとして知られた。
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特にパリのオートクチュールをニューヨークの富裕層向けに輸入販売した。
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Schiaparelli(スキャパレリ)やChanel(シャネル)をはじめ、ヨーロッパの一流デザイナーの作品を米国で紹介した店舗として有名。
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広告中の「Imported by Russeks」:
この表現は、『Harper’s Bazaar』誌の掲載広告において、商品を扱っている高級デパートの名称として記載されたもので、特にラスックスがアメリカで販売を手がけた商品であることを示しています。
つまり、「ラスックス提供」とは、このデパートが商品を輸入し、販売代理店として取り扱ったことを意味しています。
<67ページ>
掲載誌
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雑誌名:『Harper’s Bazaar』
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年代:1938年4月
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内容:カラーのヴィンテージ・エディトリアルページ(編集ページ)
イラストレーター
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サインより、Carl Erickson (カール・エリクソン) 通称「Eric(エリック)」による作品です。
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エリクソンは『Harper’s Bazaar』のために多くのイラストを手掛けた著名なファッションイラストレーター。
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ファッションの詳細
『パリから届いた鮮やかなピンホイール(風車)模様のダンスドレス。背の高いアメリカの若者以上にこれを美しく着こなせる人がいるでしょうか? ぜひトルソー(花嫁衣装)に加えてみては?
向かい側(Opposite)はヴィオネ(Vionnet)のベルベットドレス。ストライプが旋回するスカート(I. Magnin, California)。
上部左側(Above, first)はアリックス(Alix)によるモスリンジャージーのタイトなドレスと、その裾に広がる鮮やかなサテンリボンのストライプ模様。
右側(Last)はランバン(Lanvin)のストライプラメの豪華なドレスとフォックスのトリミングが施されたケープ(Custom Salon, Jay-Thorpe)。』
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Vionnet(ヴィオネ)
フランスの著名デザイナー、マドレーヌ・ヴィオネの作品で、女性らしい流動的なラインと洗練されたカッティングが特徴。 -
Alix(アリックス)
のちにマダム・グレ(Madame Grès)として知られるジェルメーヌ・エミリー・クレブスの初期ブランド名で、ドレープを駆使した優雅なデザインで有名。 -
Lanvin(ランバン)
フランスの老舗メゾンで、豪華な素材と刺繍、そして華やかな装飾で知られる。
販売店(広告提供店)
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I. Magnin(アイ・マグニン)
アメリカ、カリフォルニア州にあった高級デパート。 -
Jay-Thorpe(ジェイ・ソープ)
ニューヨークの高級サロン・ブティック。パリのオートクチュールを取り扱うことで知られていた。