Antiquites Brocante Paris by 桜アンティキテ
ヴィンテージ広告、ファンション雑誌-1930年代-カール「エリック」・エリクソン作
1940年代のヴィンテージファッション誌『Harper's Bazaar(ハーパーズ・バザー)』からのエディトリアルページの切り抜き。
詳細情報:58ページ
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年代:1938年-1940年代
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雑誌名:『Harper's Bazaar(ハーパーズ・バザー)』
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イラストレーター:Christian Bérard(クリスチャン・ベラール、サインから判明)
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ベラールは1940年代を代表するフランスの著名なイラストレーター、舞台美術家であり、ハーパーズ・バザー誌に頻繁に登場した人物です。
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幻想的かつ華麗な色彩表現で知られています。
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スキャパレリとルイ14世のモチーフについて:
エルザ・スキャパレリは、1930〜40年代にかけて、シュールレアリスムと歴史的・古典的なモチーフを融合させることを得意としました。彼女はフランス宮廷やヴェルサイユ宮殿など、歴史上の人物や象徴からしばしばインスピレーションを得ました。
特にルイ14世は、自らを『太陽王(Le Roi Soleil)』と呼び、太陽のモチーフを王家の権威や栄光の象徴として多用しました。彼のヴェルサイユ宮殿には至るところに太陽の意匠が施されており、当時のフランス文化を代表する強力な象徴となっています。
ショッキングピンクとの関連性:
スキャパレリは自身が考案した『ショッキングピンク(Shocking Pink)』と呼ばれる鮮烈な色をシグネチャーカラーとして使い、それを歴史的なシンボル(ここではルイ14世の太陽)と組み合わせることで、伝統的モチーフを大胆に再解釈し、モダンかつ華麗な印象を与えました。
エルザ・スキャパレリが『太陽(Sunburst)』をモチーフとした、ルイ14世からインスピレーションを得たデザインを最初に明確に発表したのは、1938年の春夏コレクションです。
1938年の『Circus Collection(サーカス・コレクション)』について
1938年春夏のスキャパレリのコレクションは、『サーカス(Cirque)』というテーマで知られています。このコレクションは、サーカスの楽しさ、劇場的な演出、華麗な装飾を特徴としており、その中でルイ14世の「太陽王」モチーフを引用したデザインが華やかに発表されました。
特に『サンバースト(Sunburst)』と呼ばれるモチーフは、このコレクションにおいて豪華な刺繍や装飾として使用され、スキャパレリを象徴する重要なデザインとして定着しました。
『サンバースト』モチーフの意味合い
スキャパレリがこのモチーフを採用した背景には、次のような意味があります:
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「太陽王」ルイ14世へのオマージュとフランス的な栄光の象徴
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力強さ、生命力、輝きを表現
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シュールレアリスムと歴史的なモチーフの融合による革新的表現
当時の反響
1938年に発表された『サンバースト』デザインは、当時のファッション界で大きな注目を浴びました。その大胆なモチーフと色彩は、当時のファッション誌『ハーパーズ・バザー(Harper's Bazaar)』や『ヴォーグ(Vogue)』にも大々的に取り上げられ、ファッションの歴史に残る画期的な試みとなりました。
このショッキングピンクのイブニングケープに施された豪華な太陽の刺繍は、スキャパレリが頻繁にコラボレーションしていたフランスの著名な刺繍工房「メゾン・ルサージュ(Maison Lesage)」によるものです。
メゾン・ルサージュ(Maison Lesage)について
メゾン・ルサージュは1924年にパリで創業され、特にオートクチュールにおける刺繍で名高い工房です。シャネル、ディオール、バレンシアガ、そしてスキャパレリをはじめとする一流クチュリエたちと密接にコラボレーションし、精巧で華麗な刺繍技術を提供してきました。
スキャパレリとルサージュのコラボレーションは1930年代に特に活発で、革新的でシュールレアリスティックなデザインを精緻な刺繍で実現しました。
「サンバースト」モチーフとルサージュの関係性
1938年のスキャパレリによる『サーカス・コレクション』に登場した、この「太陽(サンバースト)」モチーフは、まさにルサージュの刺繍職人の卓越した技術により実現されたものです。特に、このような大きなモチーフはルサージュ特有の、精密かつ贅沢なビーズやスパンコール、金糸を駆使した刺繍技術が不可欠であり、スキャパレリ作品の中でも代表的な名作として知られています。
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こちらのイラストページは、1930年代後半の『Harper’s Bazaar(ハーパーズ・バザー)』誌に掲載されたエディトリアルページです。
詳細情報:
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年代:1930年代後半
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雑誌名:『Harper’s Bazaar(ハーパーズ・バザー)』
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イラストレーター:カール・エリクソン(Carl Erickson, 通称Eric)
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イラスト右下の「Eric」の署名から特定可能。エリクソンは当時の著名なファッション・イラストレーターで、『ハーパーズ・バザー』誌の代表的アーティストでした。
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掲載内容の特徴:
ジャン・パトゥ(Jean Patou)やモリニュー(Molyneux)といった当時を代表する高級メゾンの贅沢な毛皮を用いたイブニングファッションを紹介しており、上品かつドラマティックな冬の社交界向けスタイルがテーマです。
『パリから届いた毛皮のサプライズ』
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上:マックスは黒のハドソンシール(ホランダー染色)のロング丈イブニングコートで話題を呼びます。小さな帽子と巨大なマフはチンチラ製。
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反対ページ1番目:パトゥの豪奢な白テンのスノーフォール(雪が舞い落ちるようなデザイン)のケープ。襟自体がケープのような大きさで予想外の存在感を放ちます。ドレスは、フリルが施された魅惑的なベルベット製。
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2番目:モリニューのサプライズは、レオパード。これまで主に日中用とされてきた素材を、贅沢で華やかに広がるイブニングコートに使用しました。裏地は赤のベルベット製。ラスクス(Russeks)が輸入。